相馬遷子 (そうま せんし)
 明治41年(1908)~昭和51年(1976)67歳。 長野県生れ。 「馬酔木」
 水原秋桜子に師事。石田波郷に兄事。「鶴」「馬酔木」同人。昭和45年から「馬酔木」同人会長を務めた。昭和14年と昭和32年馬酔木賞・昭和51年葛飾賞・第9回俳人協会賞受賞。※東京帝大医学部出身
 句集:『山国』『雪嶺』『山河』『相馬遷子全句集』 
     雪嶺へ酷寒満ちて澄みにけり   
     曇り空かりがね過ぎし跡ひかる
     地のかぎり耕人耕馬放たれし
     雪山のどの墓もどの墓も村へ向く
     わが山河まだ見尽さず花辛夷
     冬麗の微塵となりて去らんとす
     わが山河いまひたすれに枯れゆくか
     
 
宗田安正 (そうだ やすまさ)
 昭和5年(1930) 東京都生れ。神奈川県在住。
昭和25年「天狼」 に投句.加藤かけいの「環礁」同人になるが,句作断念.のち寺山修司と「雷帝」創刊に携わり俳句再開.第5回山本健吉文学賞(評論)受賞.
 句集:『個室』『巨眼抄』『百塔』  著作『俳句古語辞典』『昭和の名句集を読む』
     あやまちて天上の麦刈りつくす
     仏間にて月光倒る音したり
     凍蝶のこときるるとき百の塔
     月明の東京電車だけが残る
     YASUMASAと箪笥に呼ばる春の昼
     カフカなどつまりシホカラトンボかな
     
 
宗 左近 (そう さこん) 
 大正8年(1919)~平成18年(2006)87歳. 福岡県生れ。千葉県在住。 詩人・仏文学者
 歴程賞・詩歌文学館賞・第1回スエーデンのチカダ賞受賞。市川市名誉市民。※ 旧制一高・東京帝大文学部哲学科出身
 句集:『夜の谺』『不知火』ほか  詩集:『炎える母』『藤の花』ほか 著作:『新版 さあ現代俳句へ』ほか多数.
 《これからの現代俳句に望むことは、ただ一つ。もっともっと柔軟に冒険を。冒険のないところに成り立っているのは。遊芸であるにすぎない。》
     氷柱から銀河の落ちる谺の夜
   
 
曽根 毅 (そね つよし) 
 昭和49年(1974) 香川県生れ。 「LOTUS」
 鈴木六林男、久保純夫に師事。平成14年「花曜」入会。終刊後平成17年「光芒」同人。同23年「LOTUS」同人。第4回芝不器男俳句新人賞受賞。
     立ち上がるときの悲しき巨人かな
     燃え残るプルト二ウムの傘の骨
     さくら狩り口の中まで暗くなり
 
 句集:『花修』

俳句舎の俳人名鑑

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